ベランダの雪がすっかり溶けて、外に出たくて出たくてたまらないアレビビ。
洗濯物を干しに出入りするものだから、「おれらもでたい」と大騒ぎ。
ニャアニャアとしつこく鳴いてくりくりの眼差しをこちらに向けている。

本当はね、ベランダを掃除してから出したいの。足が汚くなってしまうから。
でもなぜかホースが見つからない。
バケツでせっせと水を運んで洗うことも考えたけども……なんだかんだ六畳くらいの広さがあるんで大変すぎる。江戸の火消しじゃないんだから。
しかし可愛い子の要求だもの。今までずっと我慢してたんだから、そうだ、部屋に戻ってきたときにその足を拭いてあげればいいだけじゃない。
そう思って出してあげました。
春の香りがそよと吹く風に運ばれて、心地のいいベランダの扉を、そっと。
出ない。
硬直するアレン。
ビビに至っては脱兎のごとく逃げていきました。

なんだったんだ、あのニャアニャアは。
でも扉を閉めるとまたニャア!と鳴く。
開けると怯む。
もう忘れちゃったんだね、あのベランダごろごろの日々を。


何度かなぞの駆け引きを終えると、ようやくアレンが出て行きました。
腰引けてるけどね。

大人になって色々知ると、恐怖心も増えるけど、猫もそうみたいね。
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