『岸辺露伴は動かない』はスタイリッシュなミステリー

岸辺露伴は動かない PR動画
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NHKドラマ『岸辺露伴は動かない』

ネタバレ無しレビュー

『ヘブンズ・ドアァ――ッ』今、心の扉は開かれる…!

年末年始が慌ただしく過ぎる中、U-NEXTで『岸辺露伴は動かない』を観た。

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リストに入れておいたまま放置され、いつしか忘れ去っていたそのタイトルを今頃になって思い出したのは、ネットニュースでなにやら話題になっていたからだ。

なになに、岸辺露伴が映画になる――だと?

元々年末の風物詩になりつつあるNHKのドラマであったこのタイトルが、映画にまで昇華されるということは相当面白いのかもしれない。面白い物を見逃しているのかもしれない。と、割りとミーハーな私はそうしてこの作品に飛びついた、というわけだ。

そして、ヘブンズドアー――今心の扉は開かれる…!

年末年始にかけて話題がうなぎのぼりの『岸辺露伴は動かない』、みなさん岸辺露伴を知っているのだろうか?
私は元々まったく知らなかった。ジョジョは読んだこともあるけど、初期(ジョナサンジョースターの頃)で離脱していたのでその存在も知らず(岸辺露伴は第四期に当たるストーリーに登場するキャラクター)。

ただ、サムネでチェックはしていたので頭の片隅には残っていた。

なにせビジュアルポスターが”気になりすぎる高橋一生”なんだもの。

どうしたの高橋一生くん。
そんなにふんぞり返って、ふてぶてしい顔でポーズキメちゃって。

こういう見た目から『オラオラ』してるやつって、ぞくぞくする。
鳥肌もんの「見てらんない」か、
感嘆もんの「出会えて良かった」かで完全に分かれるから。

そしてこれは後者だった。第一話からじめじめとした陰の雰囲気が溢れ出し、ほの暗さの中に垣間見える気品のようなものが期待を多いに煽る。と、思ったらなんとガサツな岸辺露伴の一喝が降り注ぎ、「えっ岸辺露伴ってこんなキャラなの?」といい意味で裏切られる。でも、そこからグッと引き込んで行く高橋露伴のすごさよ。

あれよあれよとヘブンズドア―が発動されて、私の心も開かれましたわ(やかましい)。

面白すぎてシーズン3含め、全話一挙配信ならぬ一挙視聴。
料理を作りながら、お風呂に入りながら、仕事をしながらね(ダメじゃん)。

世にもミステリーなテイスト

ドラマの中身はバトルとかそういう話ではまったくない。どちらかと言うと世にも奇妙な物語テイストなお話である。岸辺露伴という一人の主人公が持つ能力『ヘブンズドア―』を使って、日常に起こる様々な不可思議を解決する……というミステリー仕立てのストーリーだ。

『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品だからと言って、その『ジョジョ』を全く知らなくても問題ないし、「現実感のないのはちょっとな」って人でもとっつきにくいことはない。

岸辺露伴という相当灰汁が強いキャラクターを、スタイリッシュに仕上げている高橋一生は、脚本や演出、監督のお陰なのはたしかなのだろうけれど、やっぱり彼自身がしっかり憑依しているからなのだろうな。

原作(漫画)を見るにこの人物はもっと濃い顔が合ってる気がするが、ドラマを観終わるとなんの違和感もなく見えるのだから恐ろしい。それくらい高橋一生が役柄を完璧に表現してるってことだよね。

見どころ

このドラマの良きところは「キャラクター」「洋服」「音楽」が素敵にマッチして、物語を引き立てているところだろう。

キャラクターは一見して全員明らかに”変”だし、「漫画を実写化したな」という感じが拭えないのになぜこんなにも違和感なく受け入れることが出来るのか。

頭についている色々はなんなんですか。うさちゃんはともかく、木の葉みたいなの説明無しですか。どうしてそんなにドピンクなスーツを着て営業に当たれると思うのですか。

そんな癖強なキャラクターが着ている洋服は、昔『ハウスマヌカン』って言葉があった頃のファッション誌から飛び出してきたみたいで相当にスタイリッシュだ。そもそも主人公の二人もまるで鹿鳴館時代を抜け出してきたかのような服装をしている。

そんなファッションに「オサレ」と「奇妙」が絶妙にハーモナイズされた音楽が組み合わされて、おどろおどろしくもあくまでスタイリッシュさを失わない稀有な作風に仕上がっているのだ。
ひと仕事終えて日常に戻る岸辺露伴を、ムーディーな音楽で彩るエンディングは最高に素敵だ。

終わりに

だから時間が許すなら高橋一生演じる岸辺露伴に酔いしれて欲しい。1シーズンは2話か3話で構成されているし、基本的には一話完結なので謎をずるずる引きずらないところがとっつきやすいと思われるから。

泉京香と岸辺露伴との名コンビが繰り広げるコメディーは、おどろおどろしさをほど良く緩和し、やがてファンにさせてくれるに違いない。

見逃し市長はNHKオンデマンド、U-NEXTの他、今ならAmazonプライムビデオでも視聴が可能だ。
※Amazonプライムは時が来るとレンタルになってしまうので注意

NHKの作品をたっぷり見たいならNHKオンデマンドに加入がおすすめだが、他の映画やドラマ、アニメを観たいのであればU-NEXTをお勧めする(U-NEXTは31日間の無料期間あり)。

さて、最後になるが下にあらすじと補足を添えておきたいと思う。私の駄文で「気になる!」と思った方は是非チェックしてみて欲しい。

原作と主要キャスト

原作

主要キャスト

高橋一生

飯豊まりえ

ドラマ情報(あらすじと補足)

ドラマ情報

あらすじ

荒木飛呂彦・原作の大ヒット漫画「ジョジョの奇妙な冒険」からスピンオフした傑作漫画を初めて映像化したドラマ「岸辺露伴は動かない」。相手を「本」にしてその生い立ちや秘密を知り、書き込んで指示を与えることができる“ヘブンズドアー”。この特殊な能力を持つ漫画家の岸辺露伴が遭遇する奇妙な事件に立ち向かう。ヘブンズ・ドアー! 今、心の扉は開かれる――

NHKオンデマンド『岸辺露伴は動かない

コンテンツ詳細

放送局NHK
配信先NHKオンデマンド、U-NEXT、Amazonプライムビデオ
キャスト高橋一生(主人公の漫画家:岸辺露伴)
飯豊まりえ(露伴の担当編集者:泉京香)
原作荒木飛呂彦
放送期間シーズン1:2020/12/28-12/30(3話)
シーズン2:2021/12/27-12/29(3話)
シーズン3:2022/12/26-12/27(2話)
ジャンルミステリー
視聴層制限なし

シーン別注釈

ラブシーンなし
露出ほぼなし(シーズン3で性表現を表す肩の露出が多少ある程度)
性表現なし
暴力シーンなし
殺人あり(死人は出るが残虐な殺害シーンはない)
出血あり(モノクロで表現されている)
補足能力により顔面が裂かれるシーンが毎度毎度ある(出血はしない)

エピソード

シーズン1タイトルキャスト(主要ゲスト)
シーズン11話:富豪村
2話:くしゃがら
3話:D.N.A
柴崎楓雅
森山未來
瀧内公美、中村倫也
シーズン24話:ザ・ラン
5話:背中の正面
6話:六壁村
笠松将
市川猿之助
内田理央
シーズン37話:ホットサマー・マーサ
8話:ジャンケン小僧
古川琴音
柊木陽太
せっかくだから岸辺露伴について

漫画家で『ヘブンズドア―』と呼ぶ人の心を読み取ることが出来るスタンドの使い手。
※スタンド…ジョジョの奇妙な冒険における「超能力」

漫画のネタを自分の足で稼ぐ(リアリティを作中に反映させるため、自分で体験することを信条に自ら取材に出向く)スタイルの露伴が、取材時に起こった不可思議な出来事にスタンドを使って立ち向かう。

冷静で孤高なキャラクターである一方、我儘でプライドの高さが垣間見える性格。
仕事に入る前のルーティンや不躾な訪問者にも苛立ちを覚えつつ淡々と対応できるが、お手軽な取材や漫画に対する冒涜に対しては異常に沸点が低く、「こ…の岸辺露伴がっ…!」というお得意のセリフで相手を詰問する。このシーンは少なくともシーズン毎に一度は見られる。

筆者のツブヤキ

それにしてもこの『岸辺露伴』という名前、相当にカッコいい。
なんといっても字面が美しすぎる。

岸辺ろはん、岸辺ロハン、岸部露伴、岸部露畔…色々考えられる中にあって、このキャラクターが持つ『冷淡で高潔』という性格を体現する完璧な字面だと思う(個人の見解)。

映画は2023年5月26日(金)より放映開始の予定だとか。
ルーブル!いきなり規模がでかいよ。

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