失われた安心感と帰ってきた平穏

数日間、家を空けた

娘が進学で我が家を出ていくことになり、引越しのため4日ほど家を空けた。
猫たちには1ヵ月前から「少しの間、家を離れるからね」と言ってきかせ、「なに言ってんだ?」という顔をしているのはわかっていたが時は来たので決行。不在の間は母に泊まりで面倒を見てもらっていた

ここでも度々書いてきたように猫たちは『お互いがいればいい』と思っている節があり、飼い主に媚びることはほとんど無い。撫でて欲しいかご飯が欲しいかリボンで遊んで欲しいなどの欲求があるときにしか近寄っては来ず、こちらの都合で呼び寄せても知らん顔をしている。

まぁ、だから不在にしたところで大丈夫であろう。多少は寂しがってくれたら嬉しい…という淡い期待を抱きつつ、出発したのだった。

引越しの邪魔をする猫

ところが母曰く、

「ビビがまったく姿を見せない」という。

「どこにいるのかわからないけれど、気配すら感じない」らしい。
そうか。外部の人が来ると逃げ出すビビだから、最初は仕方がないよな。
そういうときはベッドの下、奥深くに潜っているんだ。

人の手が届かないから。
真っ暗で落ち着くから。

試しにスピーカーフォンにして呼び掛けてみたけれど、やっぱり出てはこなかった。
でも、大体数時間もすれば出てくるから寝ているだけだと思う。

お腹が空いたらしれっと出てくるだろう。トイレもしなきゃならないし、水も飲まなきゃならないんだから。

引越しの段ボールに入り込む猫

と、高を括っていたけれどビビは結局4日間ほとんど出てこなかったようだ。
どうやら寝ている隙にご飯やトイレを済ませていると気づいた母親は、気をつかって外出する時間を増やし、早めに寝るなどしていたと聞いた。申し訳ない(どっちにも)。

それでも鉢合わせしてしまうことがあり、そのたびビビは脱兎のごとく逃げて行ったようだ。

ご飯やトイレは十分に済ませることが出来たようなのでそれはなんとか良かったと思うものの、飼い主がいないということでストレスを感じていることは間違いがなく、そんなに繊細だったかと可哀相になった。

ちなみに、高コミュニケーションスキルを持つアレンはまったく問題がなかったらしい。

母親からのライン

最終日にはちゅ~るに屈した様子。さすが天下のチャオちゅ~る。
しかしビビの気持ちは落ち着いていない。可哀相に。知らない人がいることがストレスだったのか。痩せていなければいいな、そんなことを思いつつ帰路についた。

帰宅後

さて、帰宅してからの猫たちだが…

とんでもない甘えん坊に変貌してしまった。
これまでツンデレ王子と名高いビビであったのに、もうほとんど「デレ」になってしまった。

あとをついて止まず、姿が見えないのは我慢が出来ず大声で鳴いて呼ぶ。
常時抱っこかナデナデをして欲しいらしく、お腹の上で寝るようにまでなった。

可哀相に、そんなに寂しかったんだね。。。

という感想を上回り、愛情をひしひしと感じて嬉しくて仕方がない。
ごめん、そんな思いをさせたかったわけじゃないけど、これまで『世話人』としか見られていなかったのが昇格して嬉しすぎるのだよ。

アレンはそんなに変わらない。というより、ビビが激しすぎてドン引いている気がする。
最初は「にゃーにゃ―」鳴いて喜びを表現していたものの、ビビの爆裂「なおん」鳴きにかき消されてしまった。

お風呂もトイレも寝るときも仕事をしているときも家事をしているときもご飯を食べているときも寛いでいるときも、ビビはぴったりと離れない。

振り向けばヤツがいて、振り返らなくてもヤツがいる。

可愛い。

これまで頭を撫でようとすると「にゃんだこら」という感じで嫌がっている風だったのに、今は頭をツンとあげて触られるのが嬉しそうだ。
こんなにまで変わるとは思っていなかったので家族全員で愛しさを爆発させている。

ソファーから出ている猫の足

さて、帰ってきてから4日目。そうはいってもそろそろビビも落ち着いてきた。
定位置で眠るようになったし、アレンとぴったり寄り添うようにもなった。
つまり、飼い主から離れている時間も増えてきたということだ。

ビビ、と呼んだら耳だけピクリと動かして返事もしなくなった。なおんと返事もしない(アレンも)。

飼い主がどこにもいかないと気づいたらしい。

そしていつもの日常に戻るのだろう。以前のように、猫がかまってくれない毎日に。
(つまりそれが平穏)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次