猫と寝ると、疲れがとれない。
猫と寝ると、幸せで疲れが吹き飛ぶ。
これは両方、真理。
で、我が家はどうかというと今のところ半々というところ。
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この時はケージから「出てきていいよ」と最下段の鍵を開放していたが出てこない、という話だった。
それから月日が経ち、彼らも今や自由を謳歌している。
布団で寝ようと、ケージで寝ようと選択することが可能で、その比率は半々。
ただ、まだ若いせいか寝る前に興奮することが3日に一度はあって、
寝ている我々(私と息子)をものともせず、頭をぎゅうと踏んづけたり、脇腹を、佐川急便も真っ青な脚力で蹴り上げたりと暴れまくるのだ。

そういうときは選択の自由を封印してケージに入れる。
彼らはケージに入れた途端、「なんだ、寝る時間だったか」と聞き分けよろしく、
すぐに定位置、すぐに横たわり、すぐにぐぅ、だ。
一応、落ち着いた頃を見計らって鍵を開放してはいるのだが、
ケージで寝ると決めたら彼らは出てこない。
鍵の開放を感じとってもチラ見して終わりだ。
ただ、うまくいくときもある。
そういうときは「さ、寝るか」とばかり当たり前のように枕元にきて、
「あのー、入りたいんですけど」と布団をシャッシャと軽く足でかく。
合図を受けた飼い主は「おはいりください」と布団を軽く持ち上げ、お猫様はご満悦にするりと布団の中に忍び込んで、「ぬくいのぅ」と丸まって眠る……という塩梅だ。

最上級にうまくいくときは、アレンとビビがどちらも入ってきて、
布団半分で縦型に二匹か、両脇に一匹ずつかの配置がなされる。
いずれにせよどちらもゴロゴロ喉を鳴らせて、その音はまるでモーツアルトの調べのようであり、
『幸福』という言葉だけではいい表せない極上の時間だ。
そしてこの時、飼い主は決して寝返りを打つことが出来ない。
気を遣いすぎて夜中に「潰してないかな」「まだいるかな」と目が覚め、
そこにある温もりに安堵するのだが、当然眠りは浅い。
そうして、疲労と幸福が渾然一体となり、朝を迎えることとなる。
息子は、自分の部屋があるのだが、猫と寝たいからと寝室に布団を運び入れているため、
アレビビは息子のところで寝ることもたびたびある。
しかし大体息子の頭周りに群がり、この間は顔の上に乗っていた。
息苦しくなったらしい息子に払い落されると、気に障ったのか猫パンチをしているのが見えた。
息子は寝ていて気づかない。
母はそんなやり取りを見て、かてて加えて寝不足なのである。