太陽がゆっくりと昇り始めた朝、ふと目が覚めた。
肌に触れるもふもふに気づいて、いっきに幸せな気持ちになる。
しかも、左にもふもふ、右にも、もふもふ。
二匹が枕元にいるということだ。
こんな幸福がかつてあっただろうか。
これは、ぜったいに記録しておかねばならない。

もう二度とないかもしれないから
猫たちを起こさないよう手探りでスマホを探す。
体をよじると頭が揺れるので、動きは必要最低限にしなければならない。
猫のすうすう、という寝息が聞こえる。



天国か!
なんとかカメラを見つけ出し、短い腕を極限まで伸ばしてその姿を撮影。


カシャカシャという音に目覚めてしまうのではないかとハラハラしたが、まだ眠っている。
そんな愛らしい姿を確認しようと写真を確認すると、
とんでもないブスが写っていた。
おばさんの寝起きのヤバさを完全になめていた。
こなれたシャツを着ていると思っていたそれがただのよれTと見せつけられる無様さよ。
なんてフォトジェニックぢゃないんだ。



もうやだ。
朝からいやなもの見た。
傷ついたからもう一度寝よう。
おやすみなさい。

