うちで食いしん坊といえばビビだ。
食に関する興味はアレンよりもアグレッシブで、
食べ物に関する気配をキャッチする能力は鷹よりも優れている。
生まれたときは小さくて、雌猫と間違われるくらい可憐な子だったビビ。
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体重が1kgになったらワクチンを打って、
ワクチン接種が終わったら我が家に来ることになっていた。
だけど全然体重が増えなくて、アレンはとうに1kgを越しているのに
ビビだけ900gにも満たないとか。
早く会いたい、と首を長くして待っていた。
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やっとワクチンを打って我が家に来ても、
アレンよりビビの方が食べる量も少ない。
これでは弱ってしまうのではないか。
食べるとは生存能力だ。生存能力が劣るということは、生存競争に負けてしまう。
……と、心配していたのに。
あれは幻?
当初アレンの方が食いつきがよくていかにも「食べている」ように見えていたが、
よくよく観察するとビビは少量ずつ食べているだけで別に「食べていない」わけじゃない。
更にいえばアレビビは兄弟なのでどっちがどっちの器とかの縄張り意識もなく、
あっちの皿から食べ、こっちの皿から食べとするものだから
本当のところどっちがどれだけ食べているのか正確に把握するのは難しい状況だった。
とはいえ食べていることは間違いないから、心配はないだろう。
そう思ってアレビビ兄弟の食べるに任せていたら、、、
まあ、食べること。
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よーいどんのタイミングで食べているのに、ビビの方が長い時間食べている。
しかも一旦離れて、また食べに戻ってくる回数がどうやらビビの方が多い。
くわえて、アレンが食べていても自分の食べている皿がなくなったら、
「あれ、こっちにありますやん」みたいに平然と顔を突っ込んで横取りする。
(アレンはビビ優先なので怒らないし、「スッ」と後ろに下がって譲ってしまう)
ということを繰り返し、今やアレンよりも立派な体重、立派な体躯になってしまった。
アレンはよく高いところにのぼるし、よく動くので消費するが、
ビビはひたすらぐでーっとしている。
動きもぼたぼたしていて「運動音痴」という言葉がよく似合う。
体重的に『太っている』というわけではないのでいいんだけど、
とにかくいつも「食べたい」のがビビなのだ。
そんなビビがご飯を食べている私をじっと見ている。
怖い。
君のごはんはあっちだよ、と餌箱を見るとすっかり空だった。