兄弟猫を飼ってみて

猫を飼うのは初めてではないけど、兄弟猫を飼うのは初めてだ。
 今回猫を引き受けるにあたり、最初からきょうだいがいいなと思った。雄と雌でもいい。雌同士でも勿論構わない。きょうだいなら、寂しい思いをさせることがないと思った。
 いきなり知らないところへ連れられてきても、きょうだいなら怖くないだろう。用事があって出かけても寂しくないだろう。そう考えたからだ。
 そして、雄猫の兄弟を迎えることにした。

 さてそれでは実際どうだったかというと、およそ目論見通りであった。
 子猫たちは常にお互いを求め合い、初見から不安を補いあっていた。慣れないケージにもふたり寄り添い、見目麗しい。つぶらな瞳が四つ揃ってこちらを見つめてくる様は、それだけで心臓が射抜かれる。我が家に来てから三カ月が経った今でも、彼らは大抵一緒にいて、ぴったりとくっついている。

うらやましい猫カイロ

 いいなあ。

 いいなあ、猫カイロ。

 誤算だった。すっかり計算違いをしていた。猫が全然寄ってきやしない。
 正確にいえば、食事とナデナデ欲求と遊んでほしいときしか寄ってこない。ペットショップでケージ越しに、その可愛いもふもふを膝に抱きたいと幾度も願い、ああ、またあの柔らかく温かなぬいぐるみと一緒に寝たいと夢想した日々。猫を向かい入れるということは、そういう儚い妄想から解き放たれることだと信じて疑わなかった。
 なのになのに。あの子らは、お互いがいればいいらしく、ちぃとも寄ってこないのだ。そうか、兄弟で迎え入れるってこういうことになるのか。
 さすがに想像がつきませんでしたよ。
 寒くなってきたし、いよいよそのもふもふが恋しい主が、混ぜてほしいとその腹に指を差し入れたら、猫がにゃおんと鳴いた。

 邪魔そうな顔をしている。
 ごめんて。

こちらは2021.10.28にnoteにて『兄弟猫を飼ってみて知ったこと』のタイトルで寄稿したものの再掲です

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2021年7月に保護された雄の兄弟猫を迎えました。
名前はアレンとビビ。
二匹の成長と、猫との暮らしを綴ります。

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